【ミネアポリス(米ミネソタ州)9日(日本時間10日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、量産する長打で20世紀以降の球団記録を作った。

「2番DH」でツインズ戦に出場し、5打数1安打。あと1本に迫っていた松井秀喜氏の日本人メジャーリーガー最多本塁打記録(175本)に並ぶ1発はなかったが、3回2死の第2打席で右翼へ二塁打を放った。MLB公式サイトのサラ・ラングス記者によると、ドジャースでの初出場から14試合で12長打は、少なくとも1901年以降では球団最多だという。

長打のうち、二塁打8本は両リーグトップ。2年連続、通算4度のリーグ最多二塁打を記録し、“ダブル(二塁打)マシン”でもある3番フリーマンは、昨季は両リーグ断トツの59二塁打。それでも過去6人しか達成していないシーズン60二塁打にはあと1本及ばなかった。大谷は92本ペースで二塁打を量産している。

ロバーツ監督はツインズ戦前、松井氏と大谷の打撃について語った。「マツイは比較的、引っ張り打者だったが、ショウヘイはセンターから逆方向がより多い」。引っ張りに加え、全方向に打ち分ける大谷の場合、相手の外野は守備シフトで右翼線か左翼線のどちらかに寄るわけにはいかない。その結果、両翼ラインにスペースが生まれることで、長打になりやすい。この日も114マイル(約183キロ)で一、二塁間を抜いた打球が、超速であっという間に右翼フェンスまで届いた。

期待された本塁打は出なかったが、打線は7番アウトマンの2戦連発と4番スミスの3ランで6得点。投手陣をリードしながら、打率4割に乗せた正捕手スミスについて、ロバーツ監督は「彼はスター選手。ビッグ3(1番ベッツ、2番大谷、3番フリーマン)が注目されるが、4番も素晴らしい。とても安定感があって、3選手の後を打つのにふさわしい」と称賛した。先発グラスノーは7回3安打、自己最多タイの14奪三振で無失点。投打がかみあったチームは、ナ・リーグ一番乗りで10勝に到達した。

▼ドジャース大谷が今季8本目の二塁打。打球速度114・0マイル(約183キロ)は、3月31日カージナルス戦の二塁打(115・8マイル=186キロ)に次ぐ今季2番目。今季のド軍では、大谷の打球が上位7番目までを独占。8位のT・ヘルナンデスを除くと、トップ10のうち9本を大谷の打球が占めている。

▼ドジャース打線は、ベッツ、大谷、フリーマン、スミスの上位4人が絶好調。MLB公式サイトのラングス記者によると、開幕14試合で4人合計の打率3割5分5厘、出塁率4割3分8厘、OPS(出塁率+長打率)1・043は1906年以降、2006年ブルージェイズ、1927年ヤンキースに次ぐ3位。

▼ドジャース先発グラスノーは7回88球14奪三振で無失点。無四球&無失点で14三振は1901年以降、球団で3位タイ。オプタスタッツによると、90球以下で14三振は1988年以降のMLBで初めて。