グルメ情報サイト「ホットペッパーグルメ」を運営するリクルートが、2020年の飲食トレンドを発表した。それは「おもて無しグルメ」。おもてなしであるサービス部分を簡略化し、その分料理の美味しさを追求した店舗を指す。
リクルートの「ホットペッパーグルメ外食総研」の稲垣昌宏上席研究員は、昨今の消費者ニーズとして「外食に期待しているものは、サービスよりも料理のほうが高い」と話す。その結果、料理は本格派だがセルフサービス化したり、ファストフード化したものが人気になっている。
世田谷区のセルフサービスフレンチの「ルナティック」は、立席ではなく着席でいかに安く料理を提供するかを考えた結果、配膳と食器下げはお客が自ら行うセルフサービスに行き着いた。その結果、一番人気の「牛フィレステーキフォアグラのせ」や、「ロブスターのロースト」を1500円(税別)で提供できている。
品川区のセルフ約肉「GU3F」は、完全予約制、1日2組限定、5000円(税別)コースのみ、飲み放題付きというプランで営業している。ドリンクはセルフサービスで、利用者からはコスパが良いと評価されているという。
日本ではサービスと料理は価値が一体となって提供されてきたが、「海外では、サービスはチップとして分けて設定されていることが多い。”スマイルゼロ円”という言葉があったが、そこにも人件費という原価がかかっていることを意識せざるを得ない時代になった」と稲垣氏。
こうした「おもて無しグルメ」の潜在的ニーズは、特に若い世代にある。リクルートの調査によると、サービスを簡略化し、安く品質の良い食材や料理を提供するお店は、75%近くが「利用したい」としている。特に、20代男性、20〜40代女性からの支持が高かった。
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