おひとりさまで楽しむ「ソロキャン」や、外出自粛により、自宅のベランダでキャンプする「ベランピング」などが流行しています。ところで、「キャンプってどんな料理を作ればいいの?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。そんな方に向けたお手軽レシピ本『へたキャンごはん なんなら全品ベランダでも楽しめますね~!』を、お笑いタレントのじゅんいちダビッドソンさんが出版しました。失敗が多く、「へた(くそな)キャン(プ)の第一人者」と言われるじゅんいちさんのレシピは、少ない材料で「焼くだけ」「混ぜるだけ」など、簡単にできるものばかり。YouTube「ちゃんねるダビッドソン」でキャンプ動画を配信しているじゅんいちさんに、キャンプにハマったきかっけや、キャンプめしに欠かせないもの、読書歴についてうかがいました。 【写真】ステーキ&ガーリックライス、フレンチトーストなど、じゅんいちダビッドソンさんが教える料理の数々はこちら
「行ってみて」としか言いようがないキャンプの楽しさ
――じゅんいちさんがキャンプを始められたきっかけから教えてください。 子どものころはけっこうキャンプをやっていたんです。以前実家に帰ったら、宝箱みたいな中に小っちゃいナイフと『アメリカ海軍SEALのサバイバルマニュアル』っていう本を見つけて「あぁ、オレ子供のころから好きやったんや」と思い出したんです。 大人になってキャンプに行くようになったのは、2年くらい前に、芸人仲間のバイきんぐ・西村(瑞樹)くんとヒロシさんに誘われてたのがきっかけでした。初めて行った時、結構な雨だったんですけど、タープ(日陰や雨よけになるもの)に、バタバタバタって雨があたる音が聞こえる下で、小さいたき火をしながら3人でお酒を飲んでいたんですが、それがすごく贅沢な時間だなと思ったんです。「雨音めっちゃ楽しいですわ~。次回も来ます」ってその場でテントをネット注文しました。 僕らのキャンプスタイルは現地集合なので、5人で行ったらたき火は5個。食材もそれぞれが買ってきて、一人分の料理を作って、お互いちょっとおすそ分けする、という感じなんです。仕事の時間もみんなバラバラだから、好きな時間に行って、現地で会う。そういう自由なやり方がすごく自分にマッチして「これは面白いな」と思いました。今までの趣味の中で、一番ハマり続けているかもしれません。具体的に何が面白いかと聞かれると答えるのが難しいんですよね。キャンプって「行ってみて」としか言いようがないんですよ。自由でゆっくりした時間を過ごすことが楽しいんです。 ――本書に載っているのは、焼くだけ、混ぜるだけ、究極は卵かけご飯!などシンプルな調理法やメニューが多いですが「きっと外でこれを作って食べたら美味しいんだろうな」と思うものばかりでした。レシピはどのようにして考案されたのですか。 レシピは、僕が勝手に考えたのを載せて、それを作った人から「マズイやんけ!」ってなるといけないので、ちゃんとプロの方に協力してもらいながら作りました。僕が今までのキャンプで散々失敗して「ちゃんと作れたら美味しいはずなのに」と思っていたのを、フードコーディネーターさんにレシピを完成してもらったりもしました。僕自身が「こういうのキャンプで食べてみたい」っていうメニューもあります。 ――普段ご自宅で料理することはありますか? 毎日のごはんは、嫁が作ってくれています。唯一、カレーだけは昔から僕担当になっています。僕が作る方が美味しいんです。家ではたま~に作るくらいですね。本書に載っている「ラー油まぜそば」をよく作るんですが、昔「自分で作ってみよう」と思ってレシピを調べたんですよ。そこに書いてあった工程がちょっとめんどくさかったので、段取りや入れるものを3つくらい省いて作ってみたんですけど、それで美味しかったんです。 ――手順や材料を少し省いて適当に作っても、意外と美味しくできるものですよね。 そうなんですよ。僕もそれでいいなと思っていて。今はインスタが流行っているから「キャンプめし=映え」とか「オシャレ」みたいなイメージがあると思うんです。でも、あんまりアウトドアしたことない人には、入りにくい可能性があるなと思って、キャンプをやったことのない人でも「キャンプめしってこれくらいでいいんだ」と思ってもらえたらいいなと思い、この本ができたんです。なので、適当なのはあえてですね! 多分、料理本に卵かけご飯を載せたのは初だと思いますよ(笑)。 ――「生卵だと思って割ったら温泉卵だった」などの失敗も多いようですが、そんなハプニングも楽しんでいらっしゃる姿が印象的でした。 そうですね。形式にとらわれず、自由にやっているから失敗はつきものなので。「やってもうたー!」とか思うんですけど、料理は思いついたことをどんどんやっているので、ミスしても仕方がなんですよ。海水で茹でたそうめんで作ったソーミンチャンプルーだけは「なんやこれ!」っていうくらいの不味さだったので、さすがにこの本に載せるわけにはいかなかったですね。もう磯臭いし、しょっぱいし……。だけど、そういうのもトータルでキャンプを楽しんでます。 ――ステイホーム期間中、自宅で作るためにホットサンドメーカーを購入した人が多かったそうです。本書でもおかず系から甘いもの系まで「ホットサンド」のバリエーションが豊富ですが、これからはさんでみたい具はありますか? そんな、ハサミムシみたいに言われてもね(笑)。う~ん、何をはさんでも美味いからなあ。でも、ガーリックライスを濃いめに味つけして具にしてもいいかもしれないですね。この本にも「ステーキ&ガーリックライス」のレシピが載っているんですが、ガーリックライスの半分をホットサンドの具にしたらうまいかも。肉と一緒に入れても美味しいでしょうし。まぁ、そうすると糖質が増えますけど、キャンプの時は糖質のことは考えないんで。その分動けばいいんです。キャンプって結構動くんですよ。立ったり座ったり、地面が坂道なことも多いから、家に帰ったらバキバキに筋肉痛になってるんです。テントを張るのも大変なので重労働なんですけど、設営している時は結構楽しいですよ。自分の好きなようにキッチンを作っている感覚なので、汗かいても楽しくて、その後に飲むビールが美味しいんです。 ――じゅんいちさんがキャンプめしでよく使う食材ベスト3を教えてください。 まずはラム肉! 好きなんですよ。他に、絶対にキャンプに持って行くのは、生卵と袋麺ですかね。卵はお腹が減っていたらインスタント麺に入れたり、翌朝卵かけご飯にしたり、重宝します。あとは、この本にも出てきますが、「ランチパック」(山崎製パン)も優秀です。「ランチパック」を使ったフレンチトーストは女性の方にもおすすめですよ。 ――暑くなると、なるべく火を使いたくないなと思うのですが、これからの季節にオススメなキャンプめしはありますか。 「きゅうりの塩こぶあえ」とかは、材料をビニール袋に入れて和えるだけなので簡単にできます。あと「振るだけドレッシング」は凡庸性が高いので、野菜にかけるだけで美味しいのはもちろん、から揚げにかけてもうまいと思います。火を使わないという点で言えば、これからやってみたいのはキャンプ場で流しそうめんですね。あとは、いつかきれいな水を使って蕎麦を打ってみたいです。自分で打った蕎麦を、真夏のキャンプで食ってみたいですね。 ――こういう料理が作れるようになったらいいな、と思うものがあれば教えてください。 煮込み料理とかできるようになったらいいなと思います。骨付きの肉を長時間に込んでだしを取って、とか。半日くらいじっくり時間をかけた料理をいつか作ってみたいなと思います。長時間煮込んで、いっそのこと食材を失くしてみたいですね。「ドロドロの何か」みたいになって、それはそれで新しい料理ができるかもしれません。 ――子どものころからアウトドア派だったようですが、読書はいかがですか? 若いころは割と読んでいたんですが、昔読んだ中で印象に残っているのは、恩田陸さんの『夜のピクニック』と『ネバーランド』です。きっかけは、バイきんぐの小峠(英二)が年に一回くらい、湘南の海岸から東京タワーまで夜通しかけて16時間くらいかけて歩く「歩行祭」というのをやっていたんですが、二人で飲んでいる時にそれに誘われたんです。どうしようかなと思っていたら、居酒屋を出た後本屋に寄って、小峠が『夜のピクニック』を買って「この小説おもしろいから読め」って渡されて読んでみたら面白くて。それから恩田さんの作品をもう一作読んでみようと手に取ったのが『ネバーランド』でした。恩田さんの小説って、特に何も起こらないんだけど、なんか面白いんですよ。あとは、東幹久みたいな名前の……。あ、東野圭吾さんとか。 ――「東」しか合ってないですね(笑)。 湊かなえさんの『告白』は映画で観て面白かったので原作も読んだし、もっとさかのぼると「エコーズ」(辻仁成さんがボーカルを務めたロックバンド)が好きやったんで、辻さんの作品は22,3歳のころによく読んでいました。それから、村上春樹さんの『1973年のピンボール』も好きだし、一番おもろかったのは『海辺のカフカ』です。なんか異常なことが起きるんですけど、村上さんが天才だからなのか、それがすんなり入ってくるというか。確か、空から魚が降ってくるような表現があったと思うんですけど、それが「めちゃくちゃやな」ってならないんですよね。スッと入ってくる。よく、芝居や小説なんかでも、二つの場所で話が展開して最後にリンクするって言うのが多いけど、この話は、雰囲気はリンクしているけど場面がリンクしないまま終わったから「すごい!」って思いました。いい意味で裏切られましたね。 ――これまでのご自身の経験が、今の「へたキャン」につながっているということはありますか? 僕は割と思いついたこととか「こんなんやってみれば?」と人に言われたことを、なんでも一度やってみるんですよ。YouTubeもそうで、やってみたら楽しかったから続けているんですけど、「合わなかったらやめればええし」くらいのノリでやるんですよね。なので、キャンプも思いついたものを全部やっちゃうから、結果失敗が多いのかもしれません。お笑いでもそうなんですけど、誰かにやってみればと言われたことをやってみて、それがうまくいったことって自分の財産になるんです。キャンプもそんな感じです。 〈じゅんいちダビッドソンさんプロフィール〉 お笑いタレント。1975年生まれ。兵庫県出身。1997年にデビューし、サッカー選手・本田圭佑さんのネタで「R-1ぐらんぷり2015」優勝。現在は、テレビやラジオなど多方面で活動している。 公式Twitter @JUNICH_DAVIDSON 公式Instagram https://ift.tt/2BLfXXP (文:根津 香菜子)
好書好日(朝日新聞)
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July 07, 2020 at 09:10AM
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