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感染怖いが休めない、ニューヨークの料理宅配ライダーたち - 時事通信

2020年03月19日16時35分

【ニューヨークAFP=時事】新型コロナウイルスの感染拡大防止のためレストランなどが閉鎖された米ニューヨークでは、自宅で食事をとる習慣のない市民らが、自転車で料理を運ぶ宅配業者にますます頼るようになっている。(写真は米ニューヨーク・マンハッタンの1番街で道路を横断する料理宅配業者の配達員)
 飲食店やバーに対する閉鎖命令が出て以来、料理の宅配業務を担う約4万人の配達員が、市内で重要な役割を果たしている。こういった配達員のほぼ全員が健康保険や在留許可を持たない移民たちだ。彼らは感染を恐れてはいるが、働き続けるほかないと言う。
 ブルックリンに住むアルベルト・ゴンザレスさんはAFPの取材に対し、「ほかの人たちが家にいるとき、われわれは新型ウイルスに感染するリスクに直面する。本当に不安だ」と語った。
 「家には妻と4人の子どもがいる。対策としてみんな屋内で過ごしているが、私が外出することで家族を危険にさらしているとしたら何の意味があるんだ」
 移民支援団体「メーク・ザ・ロード・ニューヨーク」の活動にも参加しているゴンザレスさんは、配達員には「より手厚い保護が必要」だと語った。
 「どういった人が検査を優先的に受けられるのか、保険や在留許可がない人々が検査や治療の費用を払わなければならないかどうかもはっきりしない」とゴンザレスさんは話した。
 配達員らは感染リスクを最大限減らそうと苦心しており、多くは手袋やマスクを着用し、頻繁に消毒ジェルを使用し、中には自転車のハンドルをポリ袋で覆っている配達員もいる。

■「チップを増やそう」 SNSの呼び掛けにNY市民は
 マンハッタン中心部で、配達用の電動自転車から降りたメキシコ人のルイス・ベンチュラさん(30)は「食べ物を配達するたびに、消毒剤で手を消毒し、手袋を取り換えている」とAFPの取材に答えた。
 ベンチュラさんは、数日前までギリシャ料理店の調理師として働いていたが、急速な新型ウイルスの流行拡大によって売り上げが激減したため、職を失ったという。
 ベンチュラさんは料理の宅配会社ポストメイツと契約しており、時給は9ドル(約980円)。ニューヨークの最低賃金15ドル(約1600円)を下回っている。
 「正直なところ、この金は今月中には手に入らない」とベンチュラさんは嘆く。
 西アフリカのギニア出身のアブドゥラエ・ディアロさん(19)は、配達先でドアノブやエレベーターのボタンに触るときに特に注意を払っていると話した。
 料理の宅配会社シームレスで2年働いてきたディアロさんは「誰が病気か分からないから」と話し、「ほかに選択肢がないから仕事を続ける」と付け加えた。
 一部のニューヨーク市民はソーシャルメディア上で、連帯を示すために配達員へのチップを増やすよう呼び掛けている。
 だが、AFPの取材に応じた10人ほどの配達員らは、これまでよりもチップが増えたと感じたことはないと話した。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕

この記事の英文はこちら【英文時事コム】

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