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【巨人】浅野翔吾、新相棒・赤バットで「熱い男」に “師匠”イチロー氏との自主トレ糧に出塁率「4割以上」 - スポーツ報知

 巨人・浅野翔吾外野手(19)が17日、G球場で自主トレを公開し、14日にマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(50)と神戸市内で合同自主トレを行っていたことを明かした。高松商時代の21年12月に指導を受けた縁で実現。打席内での考え方など“プロ仕様”の教えを生かして「1番・中堅」での高卒2年目開幕スタメン奪取に挑む。自主トレでは軽快な動きを見せ、昨年10月に痛めた腰の回復ぶりをアピールした。

 誰よりも熱く浅野の心は燃えていた。室内練習場に快音がこだまする。スイングを重ねるたびに新調した赤のバットを握る手に力がこもっていった。それもそのはず。直前の14日に神戸市内で“師匠”のイチロー氏と約2年ぶりにトレーニングをともにしていた。「1日だけでしたけど、なかなかできない経験をさせてもらった。自分にとってとてもプラスになると思う」。その時の貴重な時間を思い出しながら自主トレに励んだ。

 同じイチロー氏の教えでも高校生だった2年前とプロとなった今では中身が違う。前回は「ただただ分からないことを聞いていただけ」と振り返るが、今回は1軍での経験を踏まえ、自己分析した上で「どの球を待って打つか」「追い込まれてどういう対応をするか」など具体的に質問。助言内容の詳細については「ちょっとそれは(内緒です)」と濁したが、日米通算4367安打のレジェンドの打席での考え方を学ぶ、かけがえのない時間になった。技術や思考だけではなく、「『常に全力』という話をまたしてもらった。そこが一番自分の中で残っている」。高校生の時に教わった姿勢にも改めて感銘を受けた。

 高卒2年目は師匠の教えを生かして目標の「1番・中堅」奪取に挑む。阿部監督は中堅レギュラーの候補の一人に浅野の名前を挙げており「2年目で候補に挙げてもらえるとは1年前は思っていなかった」と声のトーンをはっきり上げた。こだわるのは二塁打の数と出塁率。「(出塁率は)4割以上を目指す」と具体的数字を掲げた。

 そのためにもまずは体を万全にする。昨年10月に腰のヘルニアの影響で離脱。現在は「70%、80%くらい。だいぶ良くなってきた」と練習強度は上がっており、完全回復は間近で、同時に故障に強い体づくりも進めている。万全を期すために春季キャンプは2軍スタートになる可能性があるが、開幕は約2か月後。アピールする時間は十分ある。

 今季への思いはバットにも表れた。新シーズンへ長さ87センチ、重さ900グラムの新たな相棒を採用。「アウトコースを強く右中間に打ちたいと思っているので延ばしました」と従来よりも約1センチ長く、約30グラム重くした。色は「気持ちを前面に出して、熱い男を演じていきたい」と赤を選択。配色にも気合がにじみ出た。「阿部監督1年目の年。優勝、日本一を目指して頑張りたい」。プロ仕様の“イチ流思考”を携え、巨人の新時代を切りひらく。(宮内 孝太)

 ◆浅野とイチロー氏の関係 浅野が高松商2年時の21年12月11、12日にイチロー氏が同校を指導。さまざまな助言を授けられた浅野は、「『全力の中で形を作る』と教えてもらった。疲れても手を抜かなくなったことで、チャンスでもプレッシャーなく『打てる』という自信がついた」と飛躍のきっかけをつかんだ。巨人入団の際には複数の背番号が提示された中で、イチロー氏と同じ51番を選択。プロ入り後も「常に全力」という教えを意識してプレーしている。

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