第105回全国高校野球選手権千葉大会は二十五日、ZOZOマリンスタジアム(千葉市美浜区)で準決勝2試合があり、習志野は千葉商大付に8-0、専大松戸は志学館に15-7で、ともにコールド勝ちした。甲子園の切符をかけた習志野-専大松戸の決勝は二十七日、同球場で午前十時から行われる。(蓮村瑞希)
専大松戸が2本塁打を含む18安打を放ち、相手を圧倒した。2点リードを許した五回、中山凱選手(2年)の左前2点適時打で同点とすると、広川陽大選手(3年)の勝ち越し2点適時打、清水友惺選手(2年)の右越え3点本塁打が飛び出した。打者一巡で8安打、9得点を奪い一気に逆転した。その後も攻撃の手を緩めなかった。
想定外の序盤戦だった。先発の平野大地投手(3年)が三回途中4失点で降板。大事な試合で力を出せなかったエース右腕は「ごめん、マジ頼む」と仲間に謝った。
六回に右越え本塁打を放った宮尾日向選手(同)は「平野が誰よりも声を出して逆転をベンチから願っていたので、打線も絶対に味方を援護する雰囲気だった」と振り返った。
志学館は三回に平野投手を攻略し、一時は2点リードした。10点差をつけられた六回2死三塁から、一度はコールド負けを免れる中前適時打を放った貝塚遥樹主将(3年)は「1イニングでもこの仲間と野球をやりたい。まだ終わらないと思いながら走った」と語った。
◆習志野、4年ぶり決勝進出
習志野が千葉商大付にコールド勝ちし、前回甲子園出場の二〇一九年以来、4年ぶりの決勝進出を決めた。
初回に2点を先制すると、二回に栗山護一選手(3年)の2点適時三塁打などこの回、4四死球と4本の適時打を絡めた打者一巡の猛攻で6点を加えた。
日下遥琉主将(同)は決勝に向けて「とにかく勝つことだけを考えて、一体感を持ってやっていきたい」と意気込んだ。
◆千葉商大付3年・浦部竜樹選手 母と特訓の4番、力出し切る
「試合で打つため、勝つためにやってきた」。8点を追う三回の2打席目、内角に入ってきた5球目を逃さず振り抜くと、打球はショートの頭上を抜け、センター前に転がった。この試合2安打目。敗れはしたが、夏の大会は25打数10安打で打率4割、7打点。2回戦で千葉日大一、準々決勝で木更津総合とシード校を次々と破ったノーシード校の4番は力を出し切った。
感謝したい人がいる。レギュラーに抜てきされた1年生のある日、練習試合でうまく打てず、自宅で家族に悩みを打ち明けた。すると、看護師の母・華奈恵さん(49)が仕事が終わった後などに特訓に付き合うと言い出した。午後七~九時ごろまで、母が投げてくれるバドミントンの羽根を狙い、バットを振り続けた。そんなサポートを受け、成長した姿を最後の夏に見せることができた。
試合後、応援団から「よくやった」の声がかかると「もっとやりたかった」と悔しさが込み上げてきた。支えてくれた母には「本当に感謝してる」と、目を潤ませて天を仰いだ。黒くなった左手のまめが、自分の3年間をほめてくれているような気がした。(蓮村瑞希)
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