メルセデスのトト・ウォルフ代表は、7月1日のF1オーストリアGPシュートアウトでルイス・ハミルトンに「リベンジ・ファウル」を犯したとして、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を非難した。
ハミルトンはSQ1の残り1分の段階でタイムシートのトップに名前を載せていたが、ターン9のトラック・リミットによりタイムが抹消されノックアウト・ゾーンに沈んだ。
SQ2進出に向けて最後の計測ラップに向かおうとしたところ、チームからの警告に不備があったため、後方から急接近するフライングラップ中のフェルスタッペンに気づかず、最終コーナーで妨害する格好となった。
フライングラップを開始したハミルトンに対し、ラップを終えたフェルスタッペンはアクセルを緩めなかった。両者は横並びとなり、イン側にいたフェルスタッペンはハミルトンよりも先にターン1を通過。その後しばらく並走した後、ターン2を前にスピードを落とした。
フェルスタッペンは難なくSQ3進出を決め、最終的にポールポジションを獲得したが、ハミルトンは最後のラップを諦め、18番手でSQ1ノックアウトと相成った。
英「Sky Sports」によるとウォルフは、無線でのコミュニケーションに不備があったためにハミルトンはフェルスタッペンを妨害する事になった述べ、最終ターン10での一件は故意ではなかったと主張する一方、フェルスタッペンは「意図的」にハミルトンのラップを「台無し」にしたと非難した。
「邪魔をすればペナルティを受けることになるわけで、誰かの邪魔をしたいと思う者はいないと思う」とウォルフは語る。
「しかしながらターン1の件は(フェルスタッペンによる)リベンジ・ファウルだった。彼(ハミルトン)のラップを台無しにするためにやったんだ」
「つまり1つは意図的なものではなく、もう1つは意図的なものだった。だが、どうでもいい。ただ、来週のドライバーズ・ブリーフィングで話し合われることになると思う」
シュートアウトを経てスプリントをポール・トゥ・ウインで飾ったフェルスタッペンは、意図的にハミルトンを妨害したとの指摘を否定した。
ランキング2位のセルジオ・ペレスに対するリードを70点にまで拡げたポイントリーダーは、ハミルトンによる妨害の影響で「コンマ3秒ほどを失った」ため、念のために2周連続でアタックするかどうかを決めかねていたために、一定の間ハミルトンと並走する事になったのだと主張した。
なおスチュワードは本件を問題視しておらず、調査の対象とはなっていない。シュートアウト中のインシデントの中で審議が行われたのは、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)に対するシャルル・ルクレール(フェラーリ)の妨害と、ハースF1チームによるアンセーフリリースの2件のみだった。いずれもペナルティが科された。
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