J1リーグは28日に第12節延期分を行った。浦和レッズと湘南ベルマーレの対戦は、浦和が4-1で勝利。FW興梠慎三が前半20分に先制ゴールを決めるも、後半8分に追いつかれる。しかしMF関根貴大が同17分と22分に勝ち越し2ゴールを挙げ、終了間際にはFWホセ・カンテがダメ押しの4点目。4試合ぶりの勝利を掴んだ。
浦和は24日の前節・川崎フロンターレ戦(△1-1)から先発を4人変更。復帰したDF酒井宏樹のほか、今季リーグ戦初先発のDF大畑歩夢や前節ゴールの関根、興梠が起用された。4-2-3-1の布陣で、GKは西川周作、4バックは左から大畑、DFマリウス・ホイブラーテン、DFアレクサンダー・ショルツ、酒井。ボランチ2人はMF伊藤敦樹とMF岩尾憲。2列目は左から関根、MF安居海渡、MF大久保智明。1トップは興梠が入った。
11試合未勝利で最下位に沈む湘南は、24日の前節・サガン鳥栖戦(●0-6)からスタメンは5人を変える。GKソン・ボムグン、MF大野和成、MF山田直輝、MF永木亮太、FW町野修斗が起用された。3-1-4-2の布陣で、GKはボムグン、3バックは左から大野、DF山本脩斗、特別指定選手の関西大DF高橋直也。アンカーに永木、左WBはDF杉岡大暉、右WBはMF石原広教。2シャドーはMF小野瀬康介と山田。2トップは町野とFW大橋祐紀となった。[両スタメン&布陣]
序盤は両者チャンスを作る。浦和は前半2分、大久保のパスから安居が敵陣PA内でシュートも、GKボムグンにセーブされる。湘南も同7分、左サイドから山田、杉岡とパスをつなぎ、PA左の町野がキックフェイントから右足シュート。しかし相手守備陣にブロックされた。
徐々に攻勢を強める浦和が前半20分に先制する。岩尾が最後方からロングキックを飛ばし、左サイドから斜めに走る大畑がPA左の深い位置まで進入。折り返したところに、走り込んだ興梠がダイレクトで合わせ、ゴールネットを揺らす。5試合ぶり今季リーグ戦4ゴール目で先制ゴールを挙げた。
埼玉スタジアム2002周辺の雲行きが怪しくなり、遠方には落雷が見える中、大型ビジョンが停電した影響で試合が3分程度中断する。その後は再びプレー再開。この中断でも試合の勢いは変わることなく、浦和が攻め立て続けた。
浦和が1-0のリードで前半を折り返す。ハーフタイムで両者ともに交代カードは使わなかった。
湘南は後半開始から果敢に攻める。すると後半8分に待望の同点ゴール。杉岡が左サイドでボールを持つと、1対1の対峙からノーステップで左足クロスを上げる。ニアサイドの大橋が頭で流し込んだ。大橋は開幕節のハットトリック以来となる今季4点目。1-1と試合を振り出しに戻した。
しかし、浦和もあわてることはない。後半17分に再び勝ち越してみせる。中盤でボールを運ぶ伊藤がパスを出すと、PA手前で関根が受けるとそのままPA内に進入。小野瀬をかわしてシュートモーションも、プレスを仕掛けた大野もフェイントでかわしきる。渾身の右足シュートはゴール右ポストを叩きながらゴールマウスに吸い込まれ、2-1とした。
後半10分、両者が交代カードを切る。浦和は興梠を下げ、FWホセ・カンテを投入。湘南は山田と石原に代えて、MF平岡大陽とMF阿部浩之が2シャドーに入る。小野瀬が右WBに移動した。
浦和は関根が躍動する。後半22分、酒井がボールを奪い、安居を経由して、大久保が右サイドをドリブル突破。折り返したところに詰めたのは関根。PA内から右足ダイレクトでゴールに叩き込み、3-1と点差を広げた。関根は直後にもゴールネットを揺らすも、それはオフサイドの判定でノーゴール。ハットトリックは幻に終わった。
後がない湘南は後半27分に2枚替え。永木と大橋を下げ、MF奥野耕平とFWタリクを入れる。浦和も同30分に2枚替え。大久保と伊藤に代えて、MF早川隼平とFW高橋利樹が入った。41分には岩尾と関根が下がり、MF平野佑一とDF馬渡和彰が試合を締める。
浦和は試合終了間際、酒井の縦パスから馬渡がPA内に折り返し、カンテがシュート。ダメ押しの4点目で勝利を決定づけた。
浦和が4-1で勝利し、4試合ぶりの白星を掴んだ。首位の横浜F・マリノスと勝ち点6差の4位に浮上した。最下位の湘南は3連敗を喫し、12試合未勝利が続いている。
(取材・文 石川祐介)
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