長野・塩尻市出身の出口クリスタ(27=カナダ)が完勝で4年ぶり2度目の栄冠をつかんだ。

前回大会準優勝の舟久保遥香(24=三井住友海上)を相手に開始1分弱、まず大内刈りで技ありを奪う。さらに1分40秒、体落としで完璧に背中から落として一本勝ちした。

拠点の日本で行われた19年大会以来となる頂点に、輝く笑顔を見せた。

カナダ人の父と日本人の母の間に生まれ、長野・松商学園高1年時にインターハイで優勝するなど将来を嘱望された。昨年の女子63キロ級で優勝した堀川(旧姓津金)恵(27=パーク24)とは高校の同期だった。

ところが、山梨学院大時代にカナダ代表コーチから誘われ、同4年時の17年に東京五輪を目指して同国籍を取得。19年の世界選手権でカナダ初の優勝を果たした。一方、コロナ禍の21年世界選手権では5位に終わったことで、東京大会を逃す悲運にも直面していた。

その後も夢の五輪を諦めず、同国からの来夏パリ五輪出場へ、照準を切り替えた。昨年11月のグランドスラム(GS)バクー大会や同12月の世界マスターズ・エルサレム大会で優勝。今大会も、前回準Vの舟久保に完勝して2度目の世界一に返り咲いた。【木下淳】