多様性を象徴するようなG大阪の外国籍選手たちがようやくかみ合った。9日にパナソニックスタジアム吹田で行われた川崎戦。2-0で苦手の川崎から4年ぶりに白星を挙げ、リーグ戦7試合目で今季初勝利。ポヤトス監督は「デュエルで負けない姿勢が重要だった。ボールの動かし方も良かった。完全な試合になった」とうなずいた。
序盤は相手のプレスにボールを持てない時間が続いたが、前半29分、石毛の右CKにダワンが頭で合わせて幸先良く先制。すると、次第に落ち着いてボールを回せるようになった。
外国籍選手たちの連係は、後半5分の追加点の場面が象徴的だった。右サイドにいたラビが、前線から下がってきたジェバリとのパス交換で中央にボールを運ぶと、受け取ったダワンが相手の寄せをかわして左のファンアラーノに。鋭い動きが特徴のアタッカーは切れ込んで豪快にミドルシュートを突き刺した。「日々の練習の成果。(反対のサイドから)ボールを運んでくるのがよかった。熟成度や連係が日々、良くなっている。自分たちのサッカーができた」とファンアラーノ。ラビも「毎日良くなっている。続けていって、仲間を助けるプレーを心掛けていきたい」と強調した。
チュニジア代表としてワールドカップ(W杯)カタール大会に出場した長身FWのジェバリに、ボール奪取に優れ、パス能力も高いイスラエル代表のラビ、運動量豊富なブラジル出身のダワンとファンアラーノ…。最終ラインでは韓国代表DFの権敬源(クォンギョンウォン)が体を張った。
束ねるスペイン人指揮官は「(きょうの勝利で)信頼関係ができた。一人一人が信頼をつかみとってくれた。このようなアグレッシブさで戦えなければ負けるし、アグレッシブに戦えれば、川崎のような相手にも負けない」と力を込める。3月12日の広島戦で負傷した宇佐美も後半途中から出場。大黒柱の主将は「今のチームは自信を深めている状態。積み上げていくだけだと思う」と言い切った。スタートダッシュに失敗したG大阪だが、反攻の態勢は整った。(北川信行)
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