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生卵が食べられる“安全性”…日本食の魅力を海外により一層伝える5つの方法 - www.fnn.jp

海外でも高い人気を誇る日本食。
日本政府観光局(JNTO)が発表している訪日旅行データの観光目的において、多くの国で「日本食を食べること」が上位に入っています(※1)。
今回は外国人観光客に文化として日本食を理解してもらうことで、よりいっそう魅力を際立たせ、集客につなげる方法を考えてみたいと思います。

海外では“和食”と言えない料理を提供する日本食レストランも

寿司や天ぷらはすぐに名前が挙がりますが、その他数多ある日本食の多様性についてはあまり知られていなかったりします。

歴史・伝統によって育まれた地域ごとの独自性や同じ料理にも様々なスタイルがあるのを知ってもらうことは、日本食によって外国人観光客を集客するための課題のひとつと言えます。

また、ご存知のように海外ではとても和食とは言えない料理を提供している日本食レストランが数多くあります。
外国人観光客の訪日目的上位であるとは言え、こういった間違った料理から日本食への興味が失われる(さらには嫌悪感につながる)こともあるのではないでしょうか。

これらの課題への対策として導き出されるのは、「日本の食文化」という広範な視点で日本食を紹介するという戦略です。
外国人観光客に向けて簡単で効果的に「日本の食文化」を発信するにはどのようなポイントがあるのか、5つに絞って考えてみましょう。

1.地域の歴史…各市町村ごとに存在する“名物”

日本食は各市町村ごとに名物があると言っても過言でないほどバラエティに富んでいます。そのため、日本の食文化をアピールするときには地域性が重要な要素になります。地元の歴史と合わせて紹介することで文化体験として日本食を味わえるようになり、外国人観光客の味覚と知的好奇心を同時に満足させることが可能になります。

現在海外で日本食として広く知られているラーメンですが、中国に起源を持ち、15世紀に日本に渡来して初めて食べられたという経緯があります。日本食の独自性を強調するにはこういった外国との関係も説明したほうが良いでしょう。そうすることで文化的な背景や歴史のダイナミズムが理解でき、より地域の日本食を楽しんでもらえます。

2.伝統行事…お餅の形や調理方法が行事ごとに違う

お祭りや神事、それにともなって披露される芸能などといった伝統行事との関連を紹介して、より立体的に日本食をアピールすることも大切です。一例として、お餅が行事によって形や調理方法が変わるのは、外国人観光客にとって興味深く感じられるのではないでしょうか。

伝統行事は毎年ほぼ決まった時期に行われるので、季節との相関関係がはっきりしています。時期と土地と味がミックスされた印象は強く外国人観光客の記憶に残り、SNSでの情報のシェアや再来日のきっかけ作りに寄与すると考えられます。
地域独自の日本食を提供する際には動画や画像などで伝統行事と関連付けて紹介してみましょう。

続いて、海外でさらに日本食の評価を高めるポイントについて紹介します。切り口は「調理法や道具」「安心・安全」「SAVOR JAPAN」です。

3.調理法や道具…包丁さばきや見て楽しめる盛り付け

うま味が「UMAMI」として海外でも知られるようになってからすでに30年以上になります(※2)。長い歴史を経て培われてきたものだけに、日本独自の調理法は文化体験として大いに海外からの興味を惹き、日本食の評価をアップさせる効果が期待できます。

加えて日本料理は、熟練のシェフによる趣向を凝らした包丁さばきや見て楽しめる盛り付け、調理道具・食器類の工芸品としての美しさなど実に奥深い味わいを持っています。これらを意識的に料理と一緒に提供することで日本の食文化がさらに魅力的になると考えられます。

4.安心・安全…生卵が食べられる!

食の安心・安全は治安の良さと同様に日本が海外から評価される重要な要素と言えます。

メニューの写真と同じ料理が出てくる」という、日本人にとってごく当たり前のことが外国人観光客に驚きを持って捉えられる状況は、食の安心の分かりやすい例と言えます。

また、安全では「生卵が食べられる」というエピソードが挙げられます。代表的なのは卵かけご飯ですが、この素朴な日本食は生産・流通の各段階で品質管理をしっかりしているからこそ食べられるものであり、日本人の誠実さや生真面目さを表す好例です。

5.SAVOR JAPANの活用…特に優れた取り組みについて認定

人気に甘んじることなくさらに海外での日本食の評価を高めるには、積極的なアピールが不可欠です。
注目を集めるきっかけがほしい場合は、農林水産省が地域への外国人観光客の誘致を目的として実施している、「SAVOR JAPAN(農泊 食文化海外発信地域)」(※3)に応募してはいかがでしょうか。
特に優れた取り組みについてのみ認定というハードルはありますが、英仏中の各国語に対応したWebサイトも開設されていて(※4)、海外へのアピールにも役立ちます。
さらに、英字メディアなどの記事広告を活用するのも外国人にお店の魅力をより伝えることができるでしょう。

海外から評価の高い“日本食”とは?

今回は、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている“和食”ではなく、あえて“日本食”と表記しました。これは海外では日本食と認知されることが多くなったラーメンをはじめ、スーパーやコンビニで売られているパンやお菓子、ドリンク類にいたるまで、日本で口にできる食品の多くが外国人観光客から高い評価を得ているためです。

伝統的な和食だけでなく、外国に由来する、もしくは発祥国が意識されない飲食物にまで人気があるのは、日本人の食に対するこだわりや質の高いサービスのおかげと言って良いでしょう。だからこそ、文化体験として日本食をアピールすることが海外で日本食の評価をよりいっそう高めることにもつながるのです。
公的な支援なども活用しながら、地域の日本食をさらに海外に向けて発信してはいかがでしょうか。

※1参照:日本政府観光局(JNTO) 訪日旅行データハンドブック2019年
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/jnto_databook_2019.pdf

※2参照:日本うま味調味料協会 うま味の知識
https://ift.tt/2S8Bk9E

※3参照:農林水産省「SAVOR JAPAN(農泊 食文化海外発信地域)」について
https://ift.tt/37RaHMZ

※4参照:SAVOR JAPAN
https://savorjp.com/

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February 03, 2020 at 09:30AM
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