カントンにサントウ。シセンにコナン。「今日は中華でも食わない?」という提案にすら、少なくともこれだけの選択がついてくる、飽食のニッポン。
しかしこんな時代においても、「エンペン」という響きに耳馴染みのある人というのは、まだそう多くはないのではないだろうか。
「延辺」とは、中国・吉林省に属しながら朝鮮民族の文化も色濃い「延辺朝鮮族自治州」のこと。そして近年ブームとなっている「羊肉食」の知られざる聖地でもある。
そして、中国料理好きであり羊肉好きというのは、この“知られざる”にめっぽう弱いのであった。
というわけで、今回の舞台は東京・御徒町と新大久保に店舗を構える「延吉香(エンジシャン)」。
ゲストは日本の羊食文化の凛々しき裏方「羊齧協会」の主席であり、中国の食文化に詳しい菊池一弘さん。
東京では数少ない本場の延辺料理が味わえる名店に、羊肉のオーソリティを迎え、まだ見ぬ食文化を(そして羊肉ブームの正体までを)探ってきました!
▲これが延辺流の羊の食べ方!(詳しくは文中で)
北京への留学、延辺料理との出会い
菊池一弘さん(以下、菊池さん):今日は僕の大好きな延辺料理についてお話できるということで楽しみにしてきました。ついに時代が追いついたという感じですね!(笑)
▲「羊齧協会(ひつじかじりきょうかい)」代表・菊池一弘さん
方永俊さん(以下、方さん):よろしくお願いします。
▲新大久保店の店長、方永俊(ホウ・エイシュン)さん。方さんは日本語も堪能。取材は新大久保店で行われた
──まずは菊池さんがここまで中国料理に惚れ込んだ理由というのを教えていただけますか?
菊池さん:僕は1997年から2001年まで北京に留学していたんです。この話をすると必ず理由を聞かれるんですが、単に「三国志」が大好きで。当時はまだ18歳。若いって怖い(笑)。
で、その時期にさまざまな中国料理を食べたんですね。日本の京料理なんかを思い浮かべてもらうのがわかりやすいと思うんですけど、日本人って、土地の料理の純粋さにこだわるところがあるじゃないですか。
でも、中国料理の場合は「美味しければいいよ」っていう、どこか合理的な部分があるので、北京を拠点にいろんな味を体験できたんです。
方さんのご出身は延辺ですよね?
方さん:そうです。僕は朝鮮族(※)です。2003年に日本に来て、日本語学校で学びました。菊池さんは延辺に行きましたか?
(※中国国籍を持ち、戸籍上の民族欄に“朝鮮”と記載されている少数民族を指す)
菊池さん:残念ながら延辺までは行けていないんですが、延辺に住んでいる友だちと瀋陽(シンヨウ)で待ち合わせてご飯を食べたりはしていました。
僕の住んでいたのは北京外国語大学の近くで、人民武装警察部隊の本部の隣。「すごいところに住んでいたね」って驚かれるんですけど、そのエリアには朝鮮族の方たちがやっているお店が何軒かあって。
──延辺料理との出会いというのもその頃のことでしょうか?
菊池さん:はい。北京に渡ってすぐに食べています。いくら中国料理が好きだといっても、学食までがそうだとさすがに飽きてくるじゃないですか。
そんな時に、羊の串焼きを出しているお店を見つけたんです。日本人は肉が串に刺さっているというだけで「焼き鳥」を思い出すので、親近感が湧いたんですね。
延辺に限らず、中国は東北地方全体が羊の飼育に適しているんです。遊牧民による支配が長かったこともあって。
方さん:じゃあ、まずは延辺風の「羊肉串(ヤンロウチュアン)」から食べてもらいましょう。
脂ほとばしる羊肉のステージ! 「羊肉串」はこうして食べる
▲延辺料理の花形「羊肉串」の登場! テーブルの炉には真っ赤な炭が蓄えられ、その上にステンレスの焼き台をセット。瞬く間に「羊肉のステージ」が組み上げられた
▲右から、胡麻味の「延辺羊肉串」(165円/1串)、唐辛子とクミンで味つけした「新疆(しんきょう)羊肉串」(165円/1串)、とにかく辛い「特辣羊肉(激辛ラム肉串)」(220円/1串)。羊肉串はこのほかにもシコシコとした噛み心地が楽しい「羊筋(ラム筋肉串)」(220円/1串)がある
方さん:「羊肉串」は延辺の名物料理で、うちでもいちばん出るメニューです。
焼き方のコツ? 目を離さないこと。それだけです。肉の脂が炭に落ちると炎が大きくなってすぐに焦げてしまうので、そこだけ注意してもらえれば。
菊池さん:やっぱりこのエンターテインメント性ですよね。自分が焼き鳥屋さんになったみたいで楽しい。今でこそ他の中国料理店も真似するようになりましたけど、昔は延辺料理のお店にしかこの炉はなかったと思います。
最近は自動で焼いてくれる機械もありますよね?
方さん:あれも便利でいいんですけどね。最近の若い人たちは自分で焼くのがめんどくさいみたいで、そういうお店の方が好きって人も多いです。
菊池さん:自動のやつはどんどんどんどん焼けちゃうから、食べるのに忙しいんですよ。
方さん:うちはこうしてお客さんに焼いてもらいますが、御徒町店は延辺出身の料理人が厨房で焼いたものを出していますよ。
菊池さん:確かに初めて「羊肉串」を食べるのであれば、御徒町店もおすすめですね。火力が強いので、おしゃべりやお酒に集中しすぎるとダメなんですよ。
▲コリアンタウンに位置する新大久保店に対し、御徒町店は駅前広場の目の前
▲お客さまのテーブルにもお邪魔させていただいた。「延吉香」の料理は盛りも豪快! なるべく大人数で楽しみたい
続・「羊肉串」はこうして食べる!
方さん:焼き加減はちょっと表面が焦げるぐらいで大丈夫ですね。焼き終わったら(焼き台の)上の段に移動させれば、そのまま冷めることもないです。
▲ミニマルな骨組みにしてすべてを賄う焼き台。これぞ機能美
方さん:日本人のお客さんは(鉄串から)箸で取り分けて食べますけど、僕らは慣れているから、まずは先頭の肉を炉のヘリに押し込んで、肉全体を串からズラします。
今度は手前の肉をヘリに引っかけるようにして、食べやすいところまで移動させる。このやり方だと串から直接食べられるんですよ。
▲鉄串をしならせ肉を移動させる。脂が炭に落ち、香ばしい煙がさらに広がる!
▲熱くなった鉄串を唇に当てないよう注意しながら、ひと口食べてみて驚いた。噛み締めるほどに溢れる旨味! 複雑なスパイスは透明な脂に溶けることで、濃厚なジュースとなり、その後を羊肉独特のワイルドな香りが追いかけてくる。焼き鳥や焼きとんとはまったく別次元の食肉体験だ
菊池さん:そうそうこれこれ! やっぱり美味い! 「延辺羊肉串」もいいけど「新疆羊肉串」もクミンの効き方がちょうどいい。この串は、お店が研究を重ねた調味スパイスにつけながら食べるというのも特徴ですよね。
方さん:これはお店ごとに全然味が違いますね。
菊池さん:「何入っているの?」と聞くと、「これだよ」ってところまでは教えてくれるんですけど、分量までは絶対に教えてくれない。
方さん:そこはどのお店も秘密にしてると思います。
菊池さん:(「激辛ラム肉串」を食べて)わ、これはしっかり辛いですね!
方さん:ここで冷麺を食べるといいんですよ。さっぱりしているので辛さが落ち着くと思います。
▲延辺冷麺(1,100円)。見た目はここまで赤いのに、辛味よりも酸味を前面に感じさせる不思議な逸品。季節を問わず食べたくなる爽やかな清涼感
菊池さん:本当だ。すごくさっぱりしていてめちゃくちゃ美味しい。この冷麺、麺の色が茶色いんですね。
方さん:これは蕎麦粉が混ざった麺です。延辺ではトウモロコシの麺も有名ですが、そっちはどちらかというと温かいスープで食べる人が多いですね。
この冷麺は北朝鮮のものと味が似ています。もともと冷麺というのは北朝鮮の北側の料理ですから。
──今の日本だと北朝鮮の料理はまず食べられませんよね。それに近い食体験ができるということでも延辺料理には魅力があります。
方さん:延辺の長白山(ちょうはくさん/※中国・吉林省と北朝鮮・両江道の国境地帯にある活火山)は、中国と北朝鮮の国境にかかった山脈なんですけど、そこは観光地としても有名です。
中国から(北朝鮮に)入れないということはないですよ。
“A crater lake at Tianchi (Heaven Lake, 天池) at Baitou (Chinese Changbai Shan) at the border of China and North Korea” by Bdpmax s licensed under CC BY-SA 3.0
菊池さん:昔は北京から丹東経由・平壌行きの列車が出ていたんです。
でも、成田に着くと職員さんにパスポートのスタンプを見つけられて別室に通されるとか、アメリカには3年入れなくなる、みたいな噂があって、僕は断念しました。
▲「あれもこれも食べたい……」とメニューと格闘する菊池さん
魅力は「甘酸っぱ辛さ」。延辺料理をまだまだ味わう
方さん:この「米腸(スンデ)」は朝鮮族しか食べない伝統的な作り方のものです。韓国にもスンデはありますが、具材に春雨などを使っているんですよ。延辺のものはお米(うるち米)や餅米、豚の血、他にもいろんな香辛料が入っていて、味も全然違います。
▲柔らかな餅米に豚の血をあわせた朝鮮族ならではの腸詰料理「米腸(スンデ)」(2,200円)。血の臭みは感じられず、豊かなコクへと昇華されているのがわかる。白ごまと唐辛子を効かせた甘酸っぱいタレも日本人好み!
──この酢豚も見た目からして独特ですね。こんなに白いものは見たことがありません。
▲東北酢豚(1,650円)。豚肉の薄切りがフリッターのようにさっくりとした衣に包まれ、我々の酢豚のイメージをガラリと変えてしまう
菊池さん:白酢でやるのは延辺ならでは。これも僕の大好物です!
方さん:同じ東北地方でも延辺より南だとケチャップが入ったりしますね。
菊池さん:酢自体も日本のものとだいぶ違いますよね。酸味が強くて純粋。だから加熱してもしっかり酸っぱい。延辺料理は全体的に「甘酸っぱ辛い」というのが大きな特徴なんです。
方さん:うちの味は延辺そのままの味です。社長は自分でも料理ができる人なので、地元そのままの味が出せるんです。
あと、日本の人に人気なのはこの干し豆腐ですね。
▲拌干豆腐(858円)。中華ではお馴染みの干し豆腐も華やかな味わい。たっぷりとまぶされた唐辛子の辛味は非常にマイルド
菊池さん:こういう「和え物」も大好きでよく食べてました。これもすごく優しい味。中国の唐辛子の種類、豊富さには驚かされます。容赦なく辛いものもあれば、甘くて辛味が少ないのもある。だから「辛そうだからやめとく」というのはもったいない。
方さん:うちの料理は辛さの調節ができるので、苦手な人は言ってください。
基本的に僕ら朝鮮族は辛いものが大好きなんですよ。5歳未満の子たちも平気でキムチを食べますから(笑)。
「羊肉串」にはやっぱりビール。“ひとりで1ケースは飲んでいました”
──羊肉串ほどビールが進む料理も珍しいと思います。味といいサイズといい、脂を炭酸で流し込む快感といい……。
方さん:そうですね。「羊肉串」には白酒(バイジョウ)みたいな強い酒よりも、ビールがいいです。
菊池さん:中国のビールは日本のものに比べて味が薄くて、度数も低いんですけど、とにかく料理によく合うんです。僕は北京だったので「燕京ビール」をよく飲んでいましたね。
方さん:うちも今後は中国の「ハルビンビール」を出そうと思ってます。
菊池さん:わ! それはテンションが上がる! あのビールも美味しいんですよね〜。みんなケースで買うんですよ。12本入りの。
方さん:昔は24本でした。アサヒの中瓶よりも大きいのものが24本。延辺は外で串焼きを食べる屋台も多いので、そういうお店ではひとり1ケースずつ頼んで、そのケースを椅子代わりにするんです。椅子からとってどんどん飲む。
菊池さん:東北地方の人は本当にお酒が強いですよね。いっしょに飲みたくないですもん(笑)。
向こうではすごく優しくしてもらったいい思い出しかないんですけど、長春の電車で知り合ったおじさんの家に無理やり連れて行かれたこともありました。「帰るのか? 泊れよ! 俺のメンツを潰すなよ!」って、そのまま親戚一同2泊3日の大宴会が始まって……。
方さん:飲むときはとことん飲みますからね。僕らも3次会4次会は当たり前で、5次会になるともう行くところがないので、もう一度同じ串屋さんに戻ったりして(笑)。
菊池さん:5次会ともなるとまたお腹も空いてますからね。
──身体、壊しませんか?
方さん:そのぶん昼は冷麺だけにしておいて、夜の串焼きに備えるという感じです。朝鮮族は飲んだり食べたりワイワイしたりするのが大好き。どこに行っても飲んで遊んで。
──日本の学生なんて可愛いものですか?
菊池さん:サワーなんか飲みやがってって?(笑)
方さん:僕が日本に来たばかりのときに飲んだ「烏龍ハイ」にはびっくりしました。「これなんですか? お酒入ってますか?」って。向こうにはお酒を割って飲むという習慣がないですからね。氷も入れないぐらいなので。
菊池さん:そうですね。ビールだけ飲んでいるとお腹いっぱいになっちゃうから「ほかのお酒はないの?」って聞くと、「あるよ」って52度の白酒が出てくる。中間はないのか! っていう(笑)。
方さん:30度ぐらいの白酒もありますけど、そういうのは逆に頭が痛くなりますね。
──話を戻しましょう。このままだとお酒の記事になってしまいます……。
▲「羊肉串」を追加。本当にいくらでも食べられてしまう!
羊肉ブームの正体
──「羊肉串」といえば、最近「サイゼリヤ」のメニューにも登場しましたね。
菊池さん:「アロスティチーニ」ですね。すごい人気でどこも売り切れになっているみたいです。
あれはイタリアでも羊の放牧が盛んな中部山岳地帯の料理がベースになっているんですが、そこにスパイスをつけて食べるというのは完全に中国風。僕の勘では、延辺料理を出したかったメニュー開発担当の人が、なんとかイタリアンにこじつけたんじゃないかな、と(笑)。
あと、羊肉は韓国でも大ブームになっているんですよ。タレントの鄭尚勲が韓国のバラエティ番組で「串焼きには青島ビール!」という言葉を流行らせてから、青島ビールの売り上げが10倍以上になって、それといっしょに「羊肉串」のお店も爆発的に増えたんです。
方さん:あれは4~5年ぐらい前のことでしたね。
菊池さん:そう。それまで韓国で食べられていた「羊肉串」というのは、どちらかといえば年配の華僑の人たちの嗜好品だったと思うんですが、それが若者たちの中で「渋くてかっこいい」ということになった。
──そういったブームは大抵1~2年で終わるものですが……。
菊池さん:意外と根づいてしまったんですよね。これって面白い現象なんですよ。
だって、もともと朝鮮族の人が中国に渡って発展させた羊食文化を、今度は彼らが韓国に持ち帰って流行らせたわけですからね。なんだか大陸の文化がぐるっと輪になったようでとても興味深い。
方さん:延辺にも韓国料理を出すお店が増えているんですよ。なぜそうなのかというと、延辺というのは大きな企業というのがない地域なんですね。だからお金を稼ぐためには海外に出るしかない。
でも欧米だと言葉が通じないから、みんなが韓国を選ぶんです。そういう人が延辺に戻って、韓国料理屋を開く。延辺で延辺料理のお店を出しても儲かりませんから。
菊池さん:今や羊の輸入量は日本よりも韓国が上なんですよね。
──とはいえ日本でも羊肉を食べられるお店は格段に増えた印象です。そもそもこのブームというのはどこから始まったものなのでしょう?
菊池さん:日本のブームは複合的なものなんです。
まず、食べ物のブームというのは企業が広告代理店にお金を払って流行らせるというマーケティング主体のものがほぼすべてなんですけど、羊肉に関しては企業側にお金がなかったので、そういうことがいっさいなかったんですね。
だからここまで盛り上がるのに、いくつかの段階を踏まざるをえなかったわけです。
菊池さん:しかも日本は昭和30年代に海外から大量の冷凍羊肉を輸入していた時期があって、そこで「羊は安くて臭くて硬い」というイメージが固定化されてしまった。まずそこで話が複雑化していて……。
──マイナスからのスタートだったと。
菊池さん:そうです。「食べると意外に美味しいよね」ってところまでが異常に遠かった。
現在の羊ブームにつながるきっかけは、2014年にセブン&アイ・ホールディングスが「羊肉の売り場を拡張します」という戦略を発表したことだと思います。
それを見た量販店や中堅のスーパーが「そこには何かしらの根拠や勝算があるはずだ」と反応して、少しずつ羊肉を取り扱い始めたのではないか。そうやって、羊肉が僕らの日常に入ってきたと読んでいます。
菊池さん:あとはやっぱり、日本のグローバル化ですね。
ここ10年ぐらいは日本に移住してくる中国の華僑の中でも、北の方の人の割合が増えているので、それに伴って中国の東北料理を出すお店も増えていく。
で、僕らがそういうお店に行くと、「羊のスープ」を頼めたりもするわけです。そうなると、僕ら日本人にも「羊肉への耐性」というのがついてきますよね?
方さん:羊が牛や豚のように広まらない理由は、家で簡単に食べられる肉ではないというのもありますね。やっぱり匂いがあるじゃないですか。ちょっと調理法を間違えると食べられなくなってしまう。
延辺のスーパーでも、そこまで羊肉が並んでいるわけではないです。日本と同じぐらいの規模の売り場ですよ。
菊池さん:実は世界中がそうなんですよね。オーストラリアでも、特別に売り場面積が大きいわけじゃない。
羊は向こうの人にとっても「ハレの肉」だから、毎日食べるわけじゃないんです。「日曜日でお父さんが家にいるから、みんなで羊のローストでも」という感じなんですよ。だからこそ「羊齧協会」では、さらに羊肉文化を日本に定着させて、どこでも羊肉料理が楽しめるようにするための活動をしているんです。
戦争によって、僕らは中国人であり朝鮮族になった
──今日は本当にありがとうございました。菊池さん、今日の延辺料理はいかがでしたか?
菊池さん:とにかく美味しかったです! ここでイベントをやりたいぐらいですね。
中国料理といっても地域によって本当にいろんな特徴があるんですが、延辺料理は朝鮮料理と中国料理のいいところが混ざってますよね。理想的なハイブリッドだと思います。
方さん:この味の歴史を辿れば、1953年に終結した朝鮮戦争に突き当たると思います。昔はひとつの「朝鮮」という国だったのが、戦争で北と南に分かれた。
その時に朝鮮から中国に渡った家族が子どもを産んだりして、独自の文化を築くことで、僕らは「中国人」であり「朝鮮族」になった。
だから僕らの料理も、伝統的な朝鮮料理に、中国料理の技法が加わったものとして発展していったんです。
菊池さん:中国料理は完全な料理体型を持っていますよね。ある国の料理が中国に根づくときには、必ず中国の要素が入りますし、両国の「いいとこ取り」になることが非常に多い。
──他国の味を取り入れる、これは日本人も得意とするところだと思いますが、それとは意味合いもスケールも違いますね。
菊池さん:これは「民族の歴史の味」ですからね。100年ぐらいのスパンで、ゆっくりと熟成やローカライズを重ねていった味なんです。
いやぁ、延辺料理は本当に奥深い。「甘酢っぱ辛い」味つけはどれも日本人の舌に合うし、驚きもあれば、不思議な懐かしさもある。なにより食べていてすごく楽しい。もっともっとこの美味しさが広まって欲しいと思いますね。
延辺料理が食べたくなったら
菊池さんがおっしゃるよう、延辺料理は驚きの味覚発見とともに、どこかノスタルジックな温かさをも感じさせるもの。我々日本人の舌を、しっかり捉えて離さない。
方さん曰く「御徒町店(写真上)は流行りの火鍋も食べられますよ」とのことで、羊好き〜中国料理好きの方はぜひ出向いてみてはいかがだろうか。中国料理の奥深さ、そして中国大陸の大きさを、五感すべてで味わえるはずだ。
お店情報
住所:東京都台東区上野3-27-3 ハトヤビル3F
電話:03-5818-6033
営業時間:11:30~24:00
定休日:無休
延吉香(エンジシャン) 新大久保店
住所:東京都新宿区百人町2-2-1 REMAX新大久保ビルB1F
電話:03-3203-5168[店舗]/080-9185-5888[店長・方さん携帯]
(※店舗には日本語に対応できるスタッフが少ないため、予約の際は方さん携帯への連絡を推奨とのこと)
営業時間:11:30~24:00(L.O 翌23:30)
定休日:無休
"料理する" - Google ニュース
February 10, 2020 at 04:30AM
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中国・北朝鮮国境地域の「延辺料理」を羊の専門家と味わい尽くす - メシ通
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