山梨学院は序盤に主力選手がケガで交代を強いられる苦しい状況の中、急きょ出場した控え選手の1打がチームを勇気づけました。
山梨学院は2回の守備でショートを守る平野天斗選手が盗塁を仕掛けてきた相手のランナーにタッチにいった際にグローブを付けていた手を痛めて交代しました。
平野選手は2年生ながら去年の秋の公式戦全試合に出場したチームの中心選手の1人で、持ち味の堅実な守備に加えて1回戦では2本のヒット打つなどバッティングも好調だっただけにチームにとって極めて痛いアクシデントでした。
チーム全体が落ち込みそうな雰囲気を振り払ったのが、その平野選手に代わって急きょ出場した同じ2年生の岩城敦仁選手でした。
背番号「14」の岩城選手は去年の秋もベンチ入りしていたものの主に終盤に守備から途中出場することが多く、打席に立ったのは1度だけでした。
その岩城選手は交代直後の2回ウラ、ランナー一塁二塁とチャンスで打席に立つと甘く入った速球を見逃さずセンター前にはじき返すタイムリーヒットを打ってチームに先制点をもたらしました。
岩城選手は、これが公式戦初打点だったといい「急な出場で準備もあまりできていなかったが、気持ちの切り替えだけはやろうと思って入りました。すごくドキドキはしたが楽しめた部分もあった」と振り返りました。
この1打に吉田滉二監督は「バッティングは意外性のある子なので期待していた。チーム全員で頑張ってきたので、代わった選手にタイムリーが出るのはチームにとって非常に価値がある1本だった」岩城選手をたたえていました。
山梨学院は去年の春のセンバツを制した前のチームからほとんどのメンバーが入れ代わり2年生も多い若いチームになりました。
吉田監督も「まだまだ全然これからのチーム」と話します。
それでもこの大会ではコンディションの万全ではないエースの櫻田隆誠投手に代わって2年生の津島悠翔投手が2試合続けて好投したり、思わぬアクシデントを控えの選手がカバーしたりするなど、大会連覇に向け、チーム力の高さを見せました。
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